
働く妊産婦は入手・活用しよう!母性健康管理指導事項連絡カード
- 2026/01/26
- 産婦人科
働きながら妊娠・出産期を迎える女性にとって、体調管理と仕事の両立は大きな課題のひとつです。
「無理をしてはいけないと分かっていても、職場にどう伝えればいいのかわからない」「制度があると聞いたことはあるけれど、具体的な使い方が分からない」──そんな不安や迷いを抱えている方も少なくありません。
大阪市生野区の S レディースクリニック では、妊娠中・産後の女性が安心して日常生活や仕事を続けられるよう、医学的視点に基づいたサポートを行っています。
今回のコラムでは、働く妊産婦の強い味方となる「母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)」について、制度の仕組みや法的な位置づけ、具体的な活用方法をわかりやすく解説します。
母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)って何?
母健連絡カードは「法的効力」を持つ頼れる味方
働く妊産婦をサポートしてくれる母性健康管理指導事項連絡カードは、通称「母健連絡カード」と呼ばれています(正式名称は長いので、以下「母健連絡カード」と記載します)。
母健連絡カードは多くの「母子健康手帳」に添付されているもので、妊産婦が受診している産婦人科から勤務先に対して「記載事項に沿って、妊産婦が安心して働けるように配慮・措置を取ってください」と伝達する役割を果たします。
母健連絡カードの重要なポイントは、男女雇用機会均等法第13条に基づく法的効力を持っているという点です。母健連絡カードを受け取った勤務先には、記載内容に応じて適切な措置を講じる「義務」が発生します。「連絡カード」という名称から「妊産婦の体の状態を、勤務先に伝えるメモ」といったイメージを抱きますが、実際はもっと頼れる存在なのです。
なお、母健連絡カードは「診断書」と同様に、公的な証明書という位置づけです。
心身の状態を勤務先に「わかりやすく」伝える内容
では、母健連絡カードの内容はどのようなものなのでしょうか。母健連絡カードを作成するために妊産婦が産婦人科で健康診断を受けると、医師や助産師がその結果を踏まえて「措置が必要になる症状等」「指導事項」「特記事項」「措置が必要な期間」などについてわかりやすく記入してくれます。
大まかに紹介すると「つわりや貧血の症状があるので、勤務時間の短縮や作業の制限が、〇月〇日まで必要」といった内容になります。
母健連絡カードがあれば「心身の状態や具体的な症状を上手く伝えられない」「できないことが単なるわがままだと思われるのでは?」といった不安を取り除いてくれます。そして、負担が少なく、働きやすい環境を整えることにつながります。
母健連絡カードはこんなときに使おう!カードの具体的な活用方法

時差出勤、在宅勤務、休業などの相談に活用
以前に比べて日本でも女性の社会進出が進んでいるとはいえ、一部の大手企業のように、働く妊産婦へのサポート体制が十分に整っている企業はまだまだ多くありません。また、職種によっては、妊産婦の身体的・精神的な負担がさらに大きくなるケースもあります。
以下のような場合には母健連絡カードを活用して、会社と相談のうえで負担軽減に努めましょう。
・出勤時間や勤務時間を変更したい場合
妊娠して間もない頃は今まで通りの通勤・勤務が可能だったものの、お腹が大きくなってきたり、体調の変化が見られるようになってきたりすると「今まで通り」は困難になってきます。母健連絡カードがあれば、通勤ラッシュを避けるための時差出勤や、勤務時間の短縮、在宅勤務といった措置を依頼しやすくなります。
・心身に負担を感じやすくなった場合
妊娠・出産を経験した女性ならご存じの通り、妊産婦の体はとてもデリケートな状態になります。そのため、今までと同じ仕事内容であっても疲れを感じやすくなったり、集中力が続かなくなったりといった悩みが出てくる場面も多々あります。
そんなときは、休憩時間を長くする、休憩の回数を増やすなどの措置を取ってもらいましょう。長時間の立ち仕事や重い物を運ぶ仕事などについては、配置転換を申し出るほうが良いでしょう。
・どうしても休業が必要になった場合
「つわりがひどい」という妊婦さんによくあるお悩みや、治療・療養が必要な症状が出てきた場合には、遠慮することなく休業を申し出るようにしましょう。
先ほどもご説明した通り、母健連絡カードは診断書と同様の扱いになる書類ですから、休業を申し出る際にも診断書の提出は不要になります。ただし、休業が必要な場合には、産婦人科を受診してカードに休業が必要である旨を記入する必要があります。
母健連絡カードの作成方法や費用は?勤務先の誰に提出すればいい?

産婦人科で作成し、勤務先へは早目に提出
母健連絡カードを作成する際は、母子健康手帳に添付されているものをコピーするか、厚生労働省のホームページからダウンロードして印刷するといった方法があります。
カードの発行には産婦人科での健康診断などが必要になりますので、必ず産婦人科で相談するようにしてください。作成の仕方や費用については、事前に産婦人科に問い合わせることをおすすめします。
産婦人科で母健連絡カードを作成したら、人事部や総務部といった会社の担当部署に提出してください。担当部門がわからない場合には、まずは上司などに相談してみましょう。せっかくのカードも、会社側に提出しなければ具体的な措置を取ってもらうことができませんし、会社側も準備期間が必要になりますので、作成後は早めに提出しましょう。もちろん、大阪市生野区のSレディースクリニックでも母健連絡カードの発行を受け付けています。
検診や相談、カードの作成を担当するのは女性の産婦人科医ですから、どうぞ安心してご来院ください。Sレディースクリニックは美容皮膚科も併設していますので、美容に関するご相談もお気軽に。


