例年より流行期が早いインフルエンザ。感染を予防するにはどうすればいい?

冬の訪れを告げる強い風「木枯らし1号」が、昨年より4日早い11月3日に観測されました。

つい先日までの汗ばむような気温から打って変わって、
いきなり冬の寒さがやってくると、どうしても体調を崩してしまいがち。

この時期、とくに気を付けていただきたいのがインフルエンザの感染です。

今年は例年より早くインフルエンザの流行が始まっており、
ここ大阪でも感染者が急増しています。

今回のコラムでは、インフルエンザの原因や症状といった基礎知識、
感染を予防するための基本的な方法についてご紹介します。

そもそも「インフルエンザ」って何?一般的な「風邪」との違いは?

日本では毎年、12月から3月頃にかけて流行するインフルエンザは、
いわゆる風邪(かぜ)の一種と思われがちです。

しかし、インフルエンザと風邪は、原因や症状などが異なる「別の病気」です。

まずは、それぞれの違いを簡単に見ていきましょう。

インフルエンザとは

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染することで引き起こされる病気です。

インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型、D型などがありますが、
私たち人間が感染するのはおもにA型とB型です。

なお、ニュースなどで話題になる「鳥インフルエンザ」の原因もA型インフルエンザウイルスですが、
現時点では鳥インフルエンザウイルスに人間が感染することは滅多にありません。

一般的な風邪とは

一般的な風邪もインフルエンザと同様に、おもな原因はウイルス感染です。

しかし、一般的な風邪の場合、

その原因となるウイルスはライノウイルス、RSウイルス、アデノウイルスなど
じつにさまざまで、原因となるウイルスの特定は難しいとされています。

また、一般的な風邪の原因となるウイルスの場合、種類によって活動時期が異なります。

アデノウイルスは冬から夏の間
ライノウイルスは春と秋

といった具合です。

冬はアデノウイルスとインフルエンザウイルスの
活動が同時に活発になるので、健康管理がとくに大切です。

次にインフルエンザと風邪、それぞれの症状について見ていきます。

インフルエンザの症状


まずインフルエンザの症状ですが、
38度以上の高熱が出ることが大きな特徴です。

発熱のほかに、

・強い咳や喉の痛み
・鼻水といった症状
・頭痛、悪寒、関節や筋肉の痛み
・だるさ


といった全身症状が見られることが多くなります。

また、それらの症状が急激にあらわれるのもインフルエンザの特徴です。

高齢者や乳幼児、持病のある方、妊娠中の女性などは
肺や脳の病気を併発する可能性もあるので、しっかりと感染予防に努めましょう。

一般的な風邪の症状

一方、一般的な風邪の場合、発熱があっても高熱になることは少なく、
咳や鼻水などの症状もインフルエンザに比べれば軽度です。
頭痛、関節痛、筋肉痛といった痛みが強く出ることもあまりありません。

ドラッグストアなどに並ぶ風邪薬を見ると
「鼻水・鼻づまり」
「咳・のどの痛み」
「頭痛・発熱」などの表記があります。

それは、一般的な風邪の症状はインフルエンザの症状とは異なり、
局所的にあらわれるからです。

インフルエンザウイルスに感染しないために。今すぐできる基本的な予防法

「ただの風邪」ではないインフルエンザ。感染しないためには、
どんなことに気を付ければ良いのでしょうか?

ここからは、基本的な感染予防の方法をご紹介します。

基本的な感染予防は「うがい」「手洗い」「加湿」

インフルエンザの基本的な感染予防の方法としては、一般的な風邪と同じく
「うがい」「手洗い」の励行です。

なぜなら、インフルエンザのおもな感染経路は、ウイルスを含む飛沫(ひまつ)を
口や鼻から吸い込んで感染する「飛沫感染」と、ウイルスが付着した手で
口や鼻などに触れて粘膜から感染する「接触感染」の2つ
だからです。

飛沫感染、接触感染を防ぐには、人混みや行列などをできるだけ避けるほうが良いでしょう。

うがいの方法

うがい

インフルエンザの感染予防で「うがい」をする場合、まずは
歯磨きのうがいと同じように口の中をゆすぎます。

その後、水を含んで上を向き、ガラガラと喉の奥までゆすぎます
(15秒を目安に)。

うがいをすることで、口の中や喉の奥に付着したウイルスなどを洗い流すだけでなく、
喉の粘膜を乾燥から守ることができます。
うがい薬を使う必要はありませんので、
外から帰ってきたら必ずうがいをする習慣を身に付けましょう。

また、コロナ禍で定着した「マスクの使用」も有効(とくに「うつさない」効果が大)です。

手洗いは「こまめに」「石鹸を使って」「丁寧に」

手洗い

インフルエンザの感染予防で行う「手洗い」は
「こまめに」「石鹸を使って」「ていねいに」がポイントです。

外出先から帰宅したときや、食事や料理の前といったタイミングのほかに、
咳やくしゃみをして手で口や鼻を覆ったときなどにも、ていねいに手を洗うことをおすすめします。

手洗いの際に石鹸(薬用石鹸でなくてもOK)を使うことで、大半のウイルスや細菌を除去できます。

手のひらや手の甲はもちろん、指先や爪の間、手首までしっかり、ていねいに洗いましょう。

洗った後の手のふき取りは、もちろん清潔なタオルで。

加湿器などを使って室内の湿度を適度に保つ

加湿

「うがい」「手洗い」のほかにも、日常的にできるインフルエンザの感染予防の方法はあります。
そのひとつが「加湿」です。

インフルエンザウイルスは乾燥した環境で活動が盛んになります。また、空気が乾燥していたり、
気温が低かったりする場合、喉や鼻の粘膜が持つウイルス等に対する防御機能が低下してしまいます。

加湿器などを使って室内の湿度を50~60%程度に保つようにすると、
インフルエンザの感染予防に効果的です。


インフルエンザ対策でもっとも効果的なのは、早めのワクチン接種(予防接種)

インフルエンザの感染を予防する基本的な方法として「うがい」「手洗い」「加湿」をご紹介しましたが、
もっとも効果的なのは「早めのワクチン接種(予防接種)」になります。

ただし「予防接種をすればインフルエンザに感染しない」というわけではありません。
インフルエンザワクチンの予防接種をすることで、高熱が出たり、喉が痛くなったりといった
インフルエンザに特徴的な症状の発症を抑える効果が期待できます。

そして何より、恐ろしいインフルエンザの重症化を防ぐことができます。

乳幼児、高齢者、基礎疾患のある方はとくに重症化リスクが高いので、早めに
インフルエンザワクチンの予防接種をされることをおすすめします。

急激に高熱が出たり、咳や鼻水が出たり、喉が痛くなったりするといった症状は、
インフルエンザウイルスだけでなく、新型コロナウイルスに感染した場合にもあらわれます。

どちらに感染しているのかは簡単な検査ですぐにわかりますので、
それらの症状が見られる場合は病院で検査を受けましょう。

インフルエンザワクチンの予防接種や検査は、Sレディースクリニックへ

インフルエンザワクチンの予防接種や検査をご希望の方は、
大阪市生野区のSレディースクリニックにご来院ください。

当院は女性医師による産婦人科・美容皮膚科ですが、親子で一緒にインフルエンザワクチンを
接種される方などもいらっしゃいます。

インフルエンザや風邪だけでなく、体の冷えや「冬バテ」などのご相談もお気軽にどうぞ。