生理・生理前

毎月の生理はいつも同じ症状がでるとは限りません。ときには生理前に気持ちが落ち込んでしまったり、生理痛がひどくなったりすることもあるでしょう。ここでは、生理前・生理中によくある質問について回答します。気になる症状があるときは、まずは当てはまる項目がないか確認してみてくださいね。

生理前・生理中の症状について

生理前によくみられる症状にはなにがあるんやろ?

宮本聖愛 医師

生理前には、身体的には乳房の張り・腹部膨満感、ニキビなどの肌トラブルが、精神面ではイライラ・気分の落ち込み・集中力の低下などが見られます。

生理前の症状は女性ホルモンの変動が起こることが原因です。ホルモンバランスを整える薬を服用すると改善する可能性がありますので、つらいときには医師へ相談してくださいね!

生理中のつらい症状にはどのようなものがある?

宮本聖愛 医師

生理中には下腹部や腰痛、背中の痛みや、吐き気・下痢などの症状が現れます。

プロスタグランジンとよばれるホルモンの影響であり、症状には個人差があるのが特徴です。

これらの症状は月経困難症と呼ばれ日本には約900万人方が悩まされていると推定されていますが、そのうち治療を受けている方は2011年時点で約6%、55万人しかいません。

症状への対処方法

自分でできる「対処方法」はあるんかな?

宮本聖愛 医師

カイロなどでお腹を温めたり、軽い運動をしてストレスをためないようにしたりすると改善が期待できます。

そのほかにも、経血の排出により体内の鉄分が失われることで、貧血が起こることもあるので、生理中には、肉や魚などに含まれる鉄分を意識的に摂取するよう心がけてみてください!

PMSとPMDDについて

PMSってなに?

宮本聖愛 医師

PMS(月経前症候群)とは、生理の3~10日ほど前から現れる身体的・精神的な症状のことです。

多くの女性に共通して現れますが程度は個人差があります。

月経困難症などと合わせた症状を月経随伴症状と呼び、74%の女性にみられるといわれています。

主な症状はむくみや下腹部痛、眠気や気分の落ち込みなどです。

また、なかには「月経前不快気分障害(PMDD)」という通常のPMSより強い症状が現れる方もおり、生活に支障をきたす場合があります。

生理のトラブルについて

生理不順ってどういう状態なんやろう?

宮本聖愛 医師

生理不順とは、一定の周期で生理が始まらない状態です。正常な生理の周期は25~38日にと定義されています。

生理が終わってから始まるまでが24日以内の場合は「頻発月経」、39日以上3ヶ月以内の場合を「希発月経」といいます。

生理不順になる原因はストレスや不規則な生活習慣によるホルモンバランスの乱れのほか、子宮や甲状腺などの病気が隠れていることもあるため、早めの検査が安心です。

不正出血って?
あったときはどないしたらよい?

宮本聖愛 医師

不正出血とは、生理のとき以外に性器から出血が起こることです。

生理のように大量に出血がある、おりものに混じって少しだけ血が混じっている、どちらの症状も不正出血の一種です。子宮や卵巣などの異常や感染症で起こる「器質性出血」、ホルモンバランスの乱れにより起こる「機能性出血」などがあります。

不正出血の原因には重大な病気が隠れていることがあるため、生理以外で出血があったときはクリニックで早めに検査を行いましょう。

生理中の経血の量が多い気がするねん…

宮本聖愛 医師

いわゆる過多月経ですかね?

そもそも過多月経とは、生理のときの出血量が異常に多い状態です。「生理のたびに貧血になる」「1時間おきにナプキンを変えている」「昼間に夜用のナプキンを使っている」という場合には、過多月経の可能性があります。

子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が隠れていることもあるため、上記に当てはまるときは受信を検討してみてください。

毎月の生理痛がつらすぎて生活に支障があるんやなあ…
これは当たり前なんやろうか?

宮本聖愛 医師

日常生活に支障が現れるほど生理中の症状が重い場合は「月経困難症」と呼ばれ、すべての女性に当たり前にあるわけではありません。

月経困難症には子宮内膜症や子宮筋腫といった病気が原因となり発症する起こる「器質性月経困難症」と、プロスタグランジンという子宮を収縮させるホルモンの影響で痛みが起こる「機能性月経困難症」の二種類があります。

何らかの病気により月経困難症を発症している可能性があるため、強い痛みを感じたときは「このくらい大丈夫」と我慢せず、早めに医師へ相談してくださいね。

3ヶ月も生理がきてないんやけど、大丈夫やろうか?

宮本聖愛 医師

妊娠や閉経後ではないのにも関わらず3ヶ月以上生理がこない場合、「無月経」の可能性があります。

強いストレスや無理なダイエットによるホルモンバランスの異常や、子宮や卵巣、甲状腺などの病気により無月経が起こります。

放置すると病気が進行する恐れがあるほか、妊娠しにくくなる可能性があるため、そのままにしておくのはよくありません。

生活習慣の乱れに自覚がある場合は整えるように意識するとともに、できるだけ早く受診できると安心でしょう。

基礎体温について

基礎体温表をつけるといいのはなんで?
記録に使えるPDFデータがほしいな

宮本聖愛 医師

基礎体温表を継続して記録すると、あなたの身体の中で起こっている変化が読み取れます。

排卵や生理の予定日、生理不順などがわかるため、体調の管理や妊活に役立つでしょう。

基礎体温は生理開始から約2週間の「低温期」、次の生理までの約2週間の「高温期」の2つのフェーズに分かれます。

まずは一ヶ月記録して上記の二相に分かれているか確認することで、女性ホルモンが正常に変動しているしているか把握してみてくださいね。


受診の目安と検査について

生理で病院を受診すべきかわからんのよ…
目安となる症状はありますか?

宮本聖愛 医師

生理について少しでも不安な症状があれば医師にご相談ください。受診の目安は人それぞれですが、以下に例を紹介します。

  • 毎月鎮痛薬を飲んでいる
  • 生理前に気分が落ち込んでつらい
  • 出血量が増えた
  • 以前より痛みが強い気がする
  • 生活や仕事に支障がでる

検査を行ったことで思わぬ病気を発見できることもありますし、大きな問題が見つからなくても薬で改善できる場合もあります。

生理に関する悩みは人に話しにくいものです。一人で抱え込まず、まずは医師に相談してみませんか?

病院を受診するとどういう検査をするんかな?
内診があると聞いて不安やわあ…

宮本聖愛 医師

実施する検査は「内診」「超音波検査」「血液検査」などさまざまです。


原因を突き止めるために症状に合わせて検査を実施します。

内診は不安に思う方もいらっしゃいますが、子宮周囲の炎症や癒着を確認するために重要な検査です。

恐怖心や不安があるときは検査の前に医師にご相談ください。負担がかかりにくい検査ができるよう、調整できることもあります。

まとめ

◎定期的な健診で、早期発見を

生理前・生理中の症状はつらいものばかりです。医師の診察を受け、処方された薬を服用することで改善できることがあります。なかには、病気が隠れていることがあります。定期的に健診を行うと早期に発見し、治療を開始できるでしょう。生理について不安な症状がある方は、大阪市生野区で女性医師が治療を担当する小路東宮本診療所 産婦⼈科・美容⽪膚科にご相談ください。不安や恐怖心などあると思いますが、痛みが少なくリラックスして診察を受けていただけるよう心がけています。

監修宮本 聖愛小路東宮本診療所 産婦人科・美容皮膚科 医師

大学病院や市中病院で産婦人科医として研鑽を積み、産婦人科専門医を取得。2024年7月に産婦人科・美容皮膚科を開設。産婦人科専門医・女性医学学会会員・アンチエイジング学会会員。

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