
最近では、産後ケアに美容医療を取り入れている方も少なくありません。この記事では、産後ケアの重要性を、美容の観点から解説します。育児をしながらも美しさを保ちたいママの役に立つ内容です。
産後ケアとは?
産後ケアとは、出産後のお母さんの心身の回復をサポートするためのケアのことです。出産は女性の体に大きな変化をもたらします。ホルモンバランスの急激な変化、体重や体型の変化、睡眠不足、そして育児による精神的・肉体的な疲労など、さまざまな変化に対応しなければなりません。
従来の産後ケアといえば、体力回復や母乳育児のサポートが中心でしたが、現代では心のケアや美容面のケアも含めた総合的なアプローチが注目されています。
産後ケアの重要性
出産は女性の体にとって大きな負担となるため、適切な回復期間と休息が必要です。しかし多くの新米ママは赤ちゃんのケアに忙しく、自分自身のケアを後回しにしがちです。
産後うつは10人に1人の割合で経験します。ホルモンバランスの急変や育児ストレス、外見の変化への不満などが心理的負担となることも少なくありません。自分の外見に自信が持てないと、さらに気持ちが落ち込む悪循環に陥ることもあります。
産後ケアを適切に行うことで、新しい生活に適応しやすくなり、自分らしさを取り戻せます。赤ちゃんのケアに追われる日々の中でも、自分自身を大切にする時間を持つことは、心身の健康維持に欠かせないのです。
産後によくある美容の悩み
出産は心身に影響があり、特に美容面に悩むママも多いです。ここでは、産後によくある美容の悩みを紹介します。
シワが増えた
産後に「急に老けた」と感じるママは多く、特に目立つのが顔のシワです。シワが目立つ大きな理由は、睡眠不足による肌の回復力低下です。夜間の授乳や赤ちゃんのお世話で十分な睡眠が取れないため、肌の修復が追いつかなくなります。
水分不足も見逃せない原因です。授乳中は体内の水分が母乳として消費されるため、意識して水分補給をしないと肌の乾燥を招きます。乾燥した肌はシワができやすく、一度できたシワも目立ちやすくなります。
このような産後特有の状況が重なり、シワが増加・悪化しやすい環境が作られているのです。
シミや肝斑が目立つ
産後にシミや肝斑が目立つようになる主な原因は、妊娠・出産時のホルモン変化です。さらに、育児中は紫外線対策が疎かになりがちです。外出時の日焼け止め塗り直しや、帽子の着用などができず、知らず知らずのうちに紫外線ダメージが蓄積されます。
シミや肝斑が目立つ
「産後脱毛」は多くのママを悩ませます。これは病的なものではなく、生理的な現象です。
妊娠中は高い女性ホルモンの影響で髪の毛が抜けにくい状態が続きますが、出産後にホルモンバランスが急激に変化することで、通常であれば少しずつ抜けるはずだった髪の毛が一度に抜け落ちるのです。6ヶ月〜1年程度で自然に改善することが多いですが、この間の心理的ストレスは小さくありません。
また、産後の栄養不足も髪の健康に影響します。授乳中は多くの栄養が母乳に使われるため、十分な栄養が髪に行き渡らないことがあります。さらに、育児ストレスや睡眠不足も髪の成長サイクルを乱す要因となります。
産後ケアに美容医療も取り入れる
産後はホルモンバランスや生活習慣の乱れが大きな原因ですが、赤ちゃんのお世話が忙しいとなかなかセルフケアまで手が回りません。きれいなママでいるために、美容医療も検討してみましょう。
ピーリング
ピーリングとは、古い角質や余分な皮脂を取り除き、肌のターンオーバーを促進する治療です。特に産後は肌の新陳代謝が鈍りがちなため、定期的なピーリングが効果的です。シミ・くすみの改善、毛穴の引き締め、ニキビ予防が期待できます。
ただし、肝斑の場合は刺激が強すぎると逆効果になることもあるため、専門家による適切な判断が必要です。ピーリングは授乳中でも受けられる治療ですが、肌の状態や薬剤の種類によっては控えた方が良い場合もありますので、必ず事前にカウンセリングを受けましょう。
経皮導入(メソナJ)
メソナJなどの機械を使用した経皮導入治療は、有効成分を肌の奥まで浸透させる画期的な方法です。産後の敏感になった肌に優しく、かつ効果的なアプローチとして人気があります。シミ・肝斑の治療のほか、肌の保湿力アップ、くすみ改善、小じわの軽減など多くの効果が期待できるでしょう。
痛みもほとんどなく、ダウンタイムもないため、赤ちゃんのケアで忙しいママでも気軽に受けやすい治療です。
ヒアルロン酸
産後に気になる顔のたるみやほうれい線には、ヒアルロン酸注入が効果的です。ヒアルロン酸は体内にも存在する天然成分であり、安全性の高い治療として知られています。
産後は急激なホルモン変化や睡眠不足、体重変動などで、顔の脂肪が減少し、ボリュームロスが起こりやすくなっています。ヒアルロン酸注入で、失われたボリュームを補うことで、自然な若々しさを取り戻せるでしょう。
産後ケアの美容医療に関するよくある質問
ここでは、産後ケアの美容医療に関するよくある質問に回答します。
美容医療を始めるタイミングは?
治療内容とお体の回復状況によって異なります。基本的にはホルモンバランスが安定する傾向にある産後3ヶ月に、軽度の施術から始められます。
ピーリングやフェイシャルなど、非侵襲的な治療は比較的早い段階から始められることが多いです。これらは肌の調子を整え、産後のホルモンバランスの変化による肌トラブルを緩和する効果があります。
レーザー治療やヒアルロン酸注入など、より侵襲性のある治療は、産後の体調が十分に安定してから検討を始めましょう。
授乳に影響はないの?
治療内容によっては授乳中でも安全に受けられるものがあります。
例えば、肌の表面的な治療であるピーリングは成分が血中に入る量が極めて少ないため、授乳への影響はほとんどないと考えられています。ただし、使用する製剤によっては、添加物などの影響を考慮する必要な場合もあります。
施術前には必ず授乳中である旨を医師に伝え、安全性について確認することが大切です。当院では授乳中でも安全に受けられる治療法や、代替となる治療法を提案いたします。
美容医療で元気で美しいママになる

産後ケアにおける美容医療とは、単なる見た目の改善だけではなく、自分自身を大切にする時間を持つことでもあります。育児に追われる毎日。自分のケアを後回しにしがちなママも多いですが、自分らしさを取り戻せば育児にも前向きに取り組めるようになります。
美容医療は決して「贅沢」なものではなく、ママの心と体の健康を支える大切な選択肢です。毎日頑張るママだからこそ、自分を労わり、癒す時間も必要です。美容医療のプロフェッショナルと相談しながら、自分に合ったケアを見つけていきましょう。
S レディースクリニックは、大阪市生野区にある女性医師が担当する産婦人科・美容皮膚科です。あなたらしい美しさと自信を取り戻すお手伝いを、私たちがサポートいたします。