
更年期の不調に漢方薬はなぜ効く?自分の体や症状に合う漢方薬の選び方は?
- 2026/09/30
- 産婦人科
40代を過ぎた頃から、病気ではなさそうなのに
「急に汗が出る」
「疲れが取れない」
「イライラしやすい」
といった、心身の不調や変化を感じる方が増えてきます。
そういった不調や変化の正体は
「更年期障害」であることが多くなります。
※更年期障害の原因や症状については過去のコラムをご覧ください。
更年期障害の症状は人によって異なります。
ほてりや発汗が目立つ方もいれば、
頭痛や冷え性、肩こり、気分の落ち込みなど、
複数の不調が重なる方もいます。
「同じ悩みを抱える人は多いから」
「年齢のせいだから」などといって、
つらさを我慢する必要はありません。
更年期障害の治療には症状に応じて
いくつかの選択肢がありますが、
漢方薬も有力な治療法の一つです。
今回のコラムは、更年期障害の治療に
漢方薬が選ばれる理由、代表的な漢方薬や
服用時の注意点といった内容で進めていきます。
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更年期障害の治療に漢方薬が選ばれるのはなぜ?ベストなお薬に出会うには?
更年期とは
「閉経の前後5年間(合わせて10年)」
のことを指すもので、45歳~55歳くらい
までの方が多くなります。
更年期障害の場合
「今日は頭痛がひどかったけど、今日は体のほてりがつらい…」
といったように、日によって症状そのものや、
症状の強弱が変わるという特徴があります。
そんな更年期障害の治療に役立つのが漢方薬です。
漢方薬での更年期障害の治療では
「一番つらい症状」だけでなく、
体の疲れや冷えの具合、胃腸の調子、
体力の状態なども幅広く聞き取り、
一人ひとりの状態に応じたきめ細かい処方を検討します。
いくつもの不調が重なることも多い
更年期障害の治療に、
漢方薬が有力な選択肢になるのはそのためです。
しかしながら、更年期障害のすべての症状に
漢方薬が適しているというわけではありません。
たとえば、おもな症状が「ほてり」や「発汗」
という方の場合、
漢方薬よりホルモン補充療法(HRT)のほうが
適している場合もあります。
症状の強さや病歴、ご本人の希望などを
踏まえて治療法やお薬を選ぶことになります。
これまでのコラムで何度かお話ししていますが、
漢方による治療では、体の状態を「気・血・水」
という考え方で捉えます。
漢方薬での治療を受けるからといって、
そういった漢方独自の難しい言葉や概念を
覚える必要はありません。
「どんな症状で困っているのか?」
を普段の言葉でお伝えいただければ大丈夫です。
一緒にベストな治療法を探っていきましょう。
更年期のお悩み改善で漢方薬を試したいとき、診察では何を伝えればいい?

普段の言葉で…と言われても
「症状がいくつも重なっていて、うまく説明できない」
というケースも珍しくありません。
そんなとき、まずは「もっとも困っていること」からお伝えください。
「仕事中に汗が止まらなくなる」
「いくら休んでも体がだるい」
「些細なことにイライラする」など、
普段の生活の中で起きていること、
困っていることをそのままお聞かせいただけると、
症状の程度を把握しやすくなります。
「いつ頃から始まったか」
「毎日続いているのか」
「月経に変化があるのか」
といったことも体の状態をつかむ
手がかりになりますので、
受診前にメモを取っておくのも良い方法です。
現在服用しているお薬やサプリメントなどが
あれば、それも医師に伝えてください。
「漢方薬の味やニオイが心配」
「1日に何度も飲むのは大変」
といったようなことも、遠慮なくご相談ください。
処方する漢方薬や治療法については、
お困りの症状だけでなく、
「ご本人が継続しやすいかどうか?」
といったことも考えながら選んでいきます。
更年期障害の治療でよく用いられる漢方薬には、どんなものがあるの
漢方薬を用いた更年期障害の治療では、
症状だけでなく「その人の体質や体力」に合わせて処方を選びます。
更年期の症状に良いとされる
代表的な漢方薬をまとめてみますので、
相談や受診の参考にしてください。
漢方薬での治療の基本となる「女性三大漢方」
■ 加味逍遙散(かみしょうようさん)
【おもな効能】イライラ、不安、不眠、のぼせ・発汗
体力が中等度以下で、精神的な不安定さ
(情緒不安定)が目立つ方に用いられます。
自律神経の乱れを整え、心の不調にともなう
急なほてりや汗をしずめます。
■ 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
【おもな効能】冷え症、貧血、むくみ、めまい、頭痛
体力が乏しく、色白で疲れやすく、
とにかく「冷え」が強い方に向いています。
血行を促して体を芯から温め、水分代謝を改善してむくみを取ります。
■ 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
【おもな効能】激しいのぼせ、頭痛、頑固な肩こり、足冷え
体力が比較的あり、がっちり体型で
赤ら顔の方に向いています。
血液の滞りをスムーズにし
「上半身はのぼせるのに、足元は冷える」
といった症状を改善します。
お肌の乾燥やイライラには?
■ 温経湯(うんけいとう)
【おもな効能】手足のほてり、皮膚や粘膜の乾燥(手荒れ)、足腰の冷え
体力が中等度以下で、冷え症でありながら
夕方に手足がほてりやすい方に用いられます。
体に血液と潤いを補い、肌のカサつきや指先のひび割れを改善します。
■ 温清飲(おんせいいん)
【おもな効能】皮膚の乾燥と強い痒み、のぼせ、激しいイライラ
体力は中等度前後で、皮膚がカサカサして
赤みや痒みがある方に向いています。
体内の余分な「熱」を冷ます作用があり、
強いイライラや皮膚の炎症をしずめます。
体力の消耗と神経の過敏には?
■ 柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)
【おもな効能】動悸、息切れ、神経過敏(不安・不眠)、寝汗
体力が非常に衰えており、冷え症で精神的に
とてもデリケート(神経質)な方に用いられます。
神経の興奮を抑えて動悸や寝汗を鎮め、全体の体力を底上げします。
<漢方薬を飲む前に>漢方薬について知っておきたい注意点

漢方薬はおもに植物などに由来する生薬を
組み合わせたお薬ですが、
「自然由来だから副作用の心配はない」ということはありません。
胃の不調や発疹などが起こることもありますし、
長期間にわたって服用する場合に
注意が必要な副作用もあります。
飲み始めてから体調に変化があったときは、
速やかに医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
また、効果の出方や感じ方には個人差があります。
漢方薬でよくある誤解のひとつに
「漢方薬は何か月も飲まないと効果がない」
というものがありますが、必ずしもそうではありません。
すぐに効果を発揮する場合もありますし、
あまり効果を感じられない場合もあります。
飲み始めた後は
「症状がどう変化したのか?」
「飲みにくさや気になることはないか?」
を確認しながら、必要に応じてお薬の種類や治療法を見直します。
多くの女性を悩ませる更年期障害の症状。つらさを我慢せず、ご相談ください
当院(大阪市生野区のSレディースクリニック)は、
スタッフ全員が女性の
「どんなことでも相談しやすいクリニック」です。
更年期のさまざまな症状、
お悩みをなど包み隠さずお聞かせください。
医師としてだけでなく、同じ女性として
親身になって改善のサポートをお約束します。
漢方治療に関するご相談や受診をご希望の方は、
事前にお電話(06-4307-5344)または
「WEB予約」でのご予約をお願いします。
「よくある症状で受診してもいいの?」
と迷わなくても大丈夫です。
まずは今のつらさを我慢せず、
ご自身に合う治療法を一緒に考えていきましょう。
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