
PMS(月経前症候群)の改善に漢方薬がイイって本当?その理由は?
- 2026/08/01
- 産婦人科
毎月のように「生理前の不調」に悩まされていませんか?
生理が始まる3~10日くらい前から、
倦怠感や眠気、乳房の張り、イライラなどの
症状が繰り返し現れる場合は、
いわゆる「PMS(月経前症候群)」の可能性があります。
※PMSの具体的な症状や対処法については過去のコラムで詳しく解説しています。
PMSと診断された場合の代表的な治療法として、
低用量ピルを用いたホルモン治療がありますが、
漢方薬による治療も効果が高く、有効な選択肢となります。
今回のコラムは、
PMSの改善に漢方薬が役立つ理由、
効果が期待できる漢方薬のご紹介といった内容となります。
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つらい、痛い、しんどい…東洋医学や漢方の視点からの「PMSの原因」

東洋医学や漢方の考え方から見る「PMSの原因」
西洋医学では、PMSが起こる原因は
「排卵後に起こる女性ホルモン(エストロゲン
/プロゲステロン)の急激な変動」と、
それに伴う「脳内の神経伝達物質の乱れ」とされています。
一方で、東洋医学や漢方の考え方では、
生理前の女性の体は「気・血・水のバランスが
大きく崩れている状態」となります。
原因その1/「気」の巡りが滞る「気滞(きたい)」
東洋医学では、自律神経のコントロールや
感情の調節を担う部分を「肝(かん)」と呼びます。
生理前は「肝」の働きが低下し、
エネルギーである「気」の流れが滞ってしまう
「気滞」という状態に陥ります。
それが原因で「イライラ」「不安感」「抑うつ感」
といった、PMSでよくある精神的な症状が
強く現れるようになります。
※東洋医学による「肝」は、「肝臓」という臓器そのものを指しているのではありません。
原因その2/「血」の巡りが悪くなる「瘀血(おけつ)」
不要になった子宮内膜を
血液と一緒に排出する仕組みが、
いわゆる「生理」です。
そのため、生理前には子宮周辺にたくさんの
「血」が集まります。
冷え性、ストレス、運動不足などにより、
子宮周辺に集まった血の流れが滞り、
血液がドロドロとよどむ「瘀血」の状態になります。
瘀血は、生理前によくある下腹部や腰の痛み、
生理が始まってからの生理痛といった症状の原因になります。
原因その3/「水」が体内に滞る「水毒(すいどく)」
生理前の女性の体は、妊娠に備えて
水分や栄養を蓄えるために「プロゲステロン
(黄体ホルモン)」の分泌が高まります。
東洋医学の考え方では、
体内に余計な水分が滞ると「水毒
(または水滞)」という状態になります。
余計な水分が頭に滞れば、
頭痛や眠気、めまい等を引き起こし、
顔や手足に滞ればむくみがだるさに。
胃腸に滞れば、下痢や吐き気などとなって
現れると考えられています。
このように、東洋医学や漢方の考え方によると、
PMSは「生理前に気・血・水の巡りが一斉に滞り、
バランスを崩したサイン」ということになります。
なぜPMSには漢方薬が良いの?漢方薬が持つ「3つの強み」とは?

PMSの治療で低用量ピルを使う場合は
「ホルモンの分泌量をコントロールして、
ホルモンの波を打ち消す」ことが目的となりますが、
一方の漢方薬による治療は
「体の巡りを整え、本来の調整力を引き出す」
ことが目的となります。
ここでは「PMSには漢方薬が良い」とされる
3つの理由をご紹介します。
1)ひとつの漢方薬で、さまざまな症状をカバーできる
PMSには「その日そのときで症状が変わる」
「疲労、イライラ、むくみなどが同時に起こる」
という厄介な特徴があります。
西洋医学の場合、症状に合わせて
薬を変えることがあります。
薬の種類が変われば、服用する量や
タイミングまでが変わってしまうことも。
一方の漢方薬は、複数の生薬
(植物の根や皮、鉱物など)が
配合された複合処方です。
たとえば、女性三大漢方のひとつ
「加味逍遙散(かみしょうようさん)」の場合、
気の滞りを巡らせることでイライラを鎮めながら、
血(けつ)を補って熱を冷ます
(のぼせ、ほてりの緩和)という
複数の働きを同時にこなしてくれます。
2)症状の根本原因となる「体質」から変えていく
漢方薬は症状を抑える「対症療法」だけでなく、
その症状を生み出している根本原因にアプローチします。
たとえば、冷えによって血が滞り、
その結果として生理前に頭痛が起きているという場合には、
「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」を使って
「頭痛を止める」だけでなく、
体を温めて血を巡らせるようにします。
これにより、PMSの時期だけでなく、
普段から気になる「冷え性」や「倦怠感」
といった症状の改善も期待できます。
3)低用量ピルが使えない方も安心して治療できる
PMSに高い効果を発揮する低用量ピルですが、
人によってはリスクや制限があります。
具体例としては、40代以降の方、
35歳以上で喫煙をする方、BMIが高い方、
血栓症を患ったことがある方などになります。
これらの方の場合、血栓症のリスクが高まるため
ピルを服用することができません。
また、妊娠を希望しており、
排卵を止めたくないという方にもピルを
使用することができません。
漢方薬の場合は、ホルモンの成分が
含まれていませんし、
血栓症を引き起こすリスクが極めて低く、
排卵を妨げるようなこともありませんので、
基本的にどなたにも安心してお使いいただくことができます。
PMSの改善に役立つ漢方薬は?「女性三大漢方」以外に効果的な漢方薬も

PMSに効く「女性三大漢方」とその他の漢方薬
PMSの症状改善に有効とされる
代表的な漢方薬としては、「女性三大漢方」
といわれる以下の3つの漢方薬が挙げられます。
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
- 加味逍遙散(かみしょうようさん)
これら3つの漢方薬については、過去のコラム
「女性によくある症状の改善に効果的な3つの漢方薬「女性三大漢方」とは?」
で解説しています。
詳しく知りたい方は過去のコラムもご覧になってください。
上に挙げた3つの漢方薬のほかにも、
PMSの症状改善に役立つ漢方薬は存在しています。
上記の「女性三大漢方」のように、
よく耳にするといったものではありませんが、
- 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
- 温清飲(うんせいいん)
- 女神散(にょしんさん)
といった漢方薬があります。これらの漢方薬は、
自律神経の乱れ(イライラや頭痛)のほか、
のぼせ、めまい、肩こりなどの症状への効果が期待できます。
漢方薬はドラッグストアよりも病院で!
漢方薬に関する当院(Sレディースクリニック)のコラムで、
すでに何度がお伝えしている内容となりますが、
覚えておいていただきたいことがあります。
それは、漢方薬はドラッグストアなどでも
気軽に購入できますが、
婦人科などの病院で処方してもらうほうが
効果の面でも、費用の面でもメリットが
大きくなるということです。
婦人科などで漢方薬の処方を受けるおもなメリット
- 一人ひとりの状態や症状に合わせて、最適な漢方薬を選んでもらえる
- 健康保険が適用されるため、市販品よりも費用の負担が抑えられる
- 病院で処方される漢方薬は市販品(一般用漢方薬)より成分量が多い
- 他の薬との安全な併用が可能になり、副作用のリスクも低減できる
漢方薬の豊富な処方実績がある当院へ、お気軽にご来院ください
生理前の心身のつらい不調は、治療によって改善できます。
継続して薬を飲むことが苦手な方には、
「つらいときだけ飲む」という漢方薬もあります。
とくにつらい症状が改善できるだけでなく、
その他の悩みも同時に解消されるという
メリットを得られることも。
PMSでお困りの方には、
暮らしの中に漢方を採り入れて欲しいと思います。
大阪市生野区のSレディースクリニックでは、
漢方薬の処方の実績も豊富です。
PMSをはじめとする女性特有の症状でお困りの方は、
「WEB予約」またはお電話(06-4307-5344)にて
ご予約のうえで来院ください。
女性院長と女性スタッフが、最適なプランとサポートをご提供します。



