大切な赤ちゃんをRSウイルスから守るために。妊娠28週からのワクチン接種(原則無料)を受けよう

プレママになった皆さんに、
産婦人科医として知っていただきたいことのひとつが
「RSウイルス」という感染症への対策です。

「新生児の脅威」となるRSウイルスから大切な赤ちゃんを守るために、
赤ちゃんがまだお腹の中にいる間にできることがあります。
それは、RSウイルスに対する母子免疫ワクチンの定期接種です。

2026年4月、妊婦さんへのRSウイルスワクチン接種が
「定期接種(原則無料化)」となりました。

今回のコラムは産婦人科医の視点で、RSウイルスとは何か?
ワクチン接種が大切な理由などについてわかりやすくお伝えします。

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2026年4月から妊婦さんのRSウイルスワクチン接種が原則無料化

細かいことは抜きにして
「プレママの皆さんに知って欲しいこと」を最初にお伝えします。

新生児をRSウイルスの脅威から守るために、
RSウイルスワクチンの定期接種を受けましょう。
RSウイルスワクチンは、2026年4月から「原則無料」で接種できます。

約3万円の自己負担額が原則無料に

大切な赤ちゃんをRSウイルスから守るためのRSウイルスワクチン
(母子免疫ワクチン/製品名:アブリスボ)については、
以前は「任意接種」という扱いだったため、
接種にかかる3万円前後の費用は「全額自己負担」となっていました。

それが2026年度から予防接種補法に基づく定期接種の対象となり、
原則として「自己負担なし(無料)」に。

すべての妊婦さんが「赤ちゃんを守る選択」をしやすくなったのは嬉しいですね。

プレママの私も定期接種の対象になる?

このワクチンは妊娠さんなら
「誰でも」「いつでも」接種できるわけではありません。

接種時点で、“ 妊娠28週0日から36週6日までの妊婦の方

※過去の妊娠時にRSウイルスワクチンを接種したことのある方も対象になります。
※上記の期間内に1回接種(筋肉内注射)します。

いわゆる「妊娠後期」で接種するのは、
お腹の赤ちゃんにワクチンの効果が最も届きやすい
(お母さんの抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに引き継がれやすい)時期だからです。

出産が近づいてくる時期は、できるだけ余裕をもって行動したいもの。
無理のないように日程を調整し、カレンダーにしっかりメモしておきましょう。

効果が現れる「約2週間」を逆算して早めの接種を

産婦人科医からのアドバイスとしては、
ワクチンの接種後に母体で抗体が作られ、
赤ちゃんに届くまでに、約2週間という時間が必要になります。

もしも接種対象期間の終盤にあたる「36週目」に接種し、
予定日より早く赤ちゃんが生まれた場合、
赤ちゃんに十分なバリアが備わっていない可能性があります。

したがって「妊娠28週を迎えたら、なるべく早く」と覚えておいてください。

※病気の治療中の方、何らかの不調や不安をお持ちの方は接種に注意が必要です。 事前に必ず医師にご相談ください

「2歳までにほぼ100%が感染する」RSウイルス。なぜ予防接種が必要なの?

それでは「なぜRSウイルスワクチンの接種が必要なのか?」についてお話ししましょう。

大人は「軽い風邪」で済む一方、子どもは重症化することも

プレママの皆さんは最近、SNSや育児雑誌などで
「RSウイルス」という言葉を耳にする機会が増えていると思います。

RSウイルスとは、子どもがとくに感染しやすいウイルスで、
生後1歳までに50%以上、2歳までに「ほぼ100%」の乳幼児が
少なくとも一度は感染するといわれています(厚生労働省の資料から)。

「子どもはみんな感染するのなら、怖くないのでは?」
という認識は間違いです。

小さな子どもや赤ちゃんの気管支は、
大人のそれに比べて細く、繊細なつくりをしています。
そのため、生まれて間もない新生児や乳幼児が感染すると、
重症化することが少なくないのです。

RSウイルスに感染すると、潜伏期間を経て
発熱や鼻水などの症状が数日間続きます。
初感染の乳幼児の場合、約7割が数日で回復に向かいますが、
約3割が重症化してしまいます。

「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と苦しそうに呼吸をしたり、
強く咳き込んだりする「細気管支炎(さいきかんしえん)」になったり、
呼吸困難を引き起こす「肺炎」になるなどして
入院することも珍しくありません。

困ったことに「特効薬」が存在しないRSウイルス

インフルエンザや新型コロナウイルスといった感染症には、
それぞれに「特効薬(優れた効き目を持つお薬)」が存在しています。
ところが、RSウイルスには特効薬(抗ウイルス薬)がないため、
感染してしまうと症状を和らげる治療(対症療法)に頼るしかありません。

RSウイルスに感染し、何らかの症状が出た赤ちゃんを
病院に連れていったとしても
「鼻水を吸う」「酸素吸入する」「点滴で水分を補う」ことしかできないのです。

では、赤ちゃんをRSウイルスの脅威から守るにはどうすれば良いのでしょうか?

その答えが「ワクチン接種」です。

「RSウイルスには特効薬がない」だからこそ
「かかる前に予防する」ということが大切になります。

RSウイルスワクチンの「予防効果」と「胎児への影響」「副反応」は?

RSワクチンの予防効果はどのくらい?

妊娠28週以降にお母さんがワクチンを接種すると、
母体にRSウイルスに対する抗体(バリア)が生まれます。
その抗体は胎盤を通じて、お母さんから赤ちゃんへと引き継がれます。

これを「母子免疫(ぼしめんえき)」といいます。
この仕組みのおかげで、赤ちゃんは生まれた瞬間から
「RSウイルスへのバリア」を持っていることになります。

臨床試験のデータによると、RSウイルスワクチンを接種することで、
もっとも恐ろしい生後3ヶ月までの赤ちゃんの重症化を
約8割(81.8%)も減らせることが分かっています
(生後6ヶ月頃までその効果は続きます)。

大切な赤ちゃんを、生まれる前から守ってあげることができる
RSウイルスワクチンには、たしかな予防効果があるといえます。

赤ちゃんへの悪影響、早産のリスクはないの?

RSウイルスワクチンを接種すると
「母体の抗体が赤ちゃんに引き継がれる」ということで、
赤ちゃんへの悪影響、早産のリスクなどが気になる方も多いようです。

国内外の大規模調査では、RSウイルスワクチンの接種によって
お腹の赤ちゃんに危険が及んだり、
早産のリスクが明らかに高まったりするという報告はありません。

母親の体に副反応は起こるの?

ワクチン接種後母親の体に起こる副反応としては、
インフルエンザなどの他のワクチンと同じように、
注射を打った場所が筋肉痛のように痛くなったり、腫れたり、
赤くなったりすることがあります。

体がだるくなったり、頭痛がしたりすることもありますが、
ほとんどが数日で治まります。

副反応といってもその程度ですので安心してください。

赤ちゃんのためのRSウイルスワクチン接種をスムーズに。確認事項と注意点

Sレディースクリニック で接種するには?

大阪市生野区のS レディースクリニックでRSウイルスワクチンの接種をご希望の場合、
対象となる方や費用、持ち物などは以下の通りです。

当院は大阪市・東大阪市の定期接種委託医療機関で、
医師をはじめスタッフ全員が女性のクリニックですので、
安心してご予約・ご来院ください。

☆Sレディースクリニック(大阪市)診療予約はこちら

■ 対象となる方

  • 接種日に大阪市・東大阪市に住民票がある方
    (妊娠28週0日~36週0日までの方)


■ 接種を受けられない方(厚生労働省の資料より抜粋)
以下の方は、接種を受けることができません。

  • この予防接種の接種液の成分によって
    アナフィラキシーを呈したことがある方
  • その他、予防接種を行うことが
    不適当な状態にあると医師が判断する方

また、以下のような場合は接種を受けることができませんので、
治ってから受けるようにしてください。

  • 発熱している
  • 重篤な急性疾患にかかっている

■ 接種にかかる費用

  • 上記に記載の「対象となる方」であれば無料(自己負担なし)

■ 接種日当日の持ち物

  • 母子健康手帳
  • 本人確認書類(マイナンバーカードや運転免許証など)

※本人確認書類は大阪市・東大阪市に居住していることがわかるもの

■ ご予約方法

お電話(06-4307-5344)または「WEB予約」でご予約いただけます。

[ 大阪市外から当院へご来院いただく場合 ]

大阪市・東大阪市外(周辺の市町村)にお住まいの方や、
里帰り出産を目的に大阪市・東大阪市へお戻りの方など、
大阪市・東大阪市外に住民票がある方は、お住まいの自治体が発行する
「予防接種実施依頼書」などが必要になります。
詳しくは住民票がある市区町村にお尋ねください