冷え性・生理痛・PMS・更年期などで漢方に興味のある方へ。漢方の疑問・質問に婦人科医が回答します

生理が近づくと気分が不安定になったり(PMS)、
生理痛や冷え性に悩まされたり。

そんな女性特有の症状の改善を目指して、
日々の暮らしに漢方を採り入れたいという方が増えています。

当院(大阪市平野区のSレディースクリニック)では、
一人でも多くの女性のお悩みを軽減するために、
漢方に関するご相談を積極的に受け付けています。

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記事のタイトルにある「冷え性」「生理痛」「PMS」「更年期障害」といった、
女性特有のさまざまな症状の改善に役立つ漢方ですが、
間違った情報やイメージが一人歩きしている印象があります。
その代表例が下記の「5つの誤解」です。

  1. 口コミで評価の高い漢方薬は誰にでも効果がある。
  2. 漢方薬は長期で継続して服用しないと効果がない。
  3. 病院では漢方薬を処方してもらえないor金額が高い。
  4. 漢方薬は自然由来の薬だから、副作用の心配がない。
  5. 冷え性や生理痛くらいで病院に行くのは大げさだ。

今回のコラムでは、ネット上で見聞きする情報や
来院された患者さまの声をもとに、
漢方に関する「5つの誤解」に基づく疑問・質問に、
婦人科医の立場から回答していきます。

Q1:友人の話やSNSで「漢方が効く」と聞きました。私の症状にも効きますか?

一人ひとりの心身の状態によって、漢方薬の効き目は異なります。

最初に、漢方に興味を持ったあなたに、
婦人科医として大切なことをお伝えしておきます。

インターネットやSNSに触れる機会が増えるにつれて、
「PMSには〇〇〇が効果的」
「〇〇〇を飲んだら生理痛が消えた」

などの書き込み・口コミを目にすることも増えています。

しかし、ここで注意して欲しいのは
「誰かに効いた漢方薬が、あなたにも効くとは限らない」ということです。

漢方の世界では、冷え性や生理痛、PMSといった病名や症状だけで、
処方する漢方薬を決めるわけではありません。
一人ひとりの心身の状態(気・血・水の過不足や巡り、
体質や体力など)を見ながら、
その時々で最適な漢方薬を処方します。

したがって、Aさんにはとても効果的だった漢方薬でも、
Bさんにはあまり効果がないということも珍しくありません。

当院のような婦人科でよく処方される
「女性三大漢方」と呼ばれる有名な3つの漢方薬があります。

それらは女性特有の症状の改善に効果的とされるものですが、
向いている方のタイプはそれぞれ異なります。

※「女性三大漢方」についての詳しい記事はこちら

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

日頃から体力がなく疲労感があり、胃腸が弱く、
貧血気味といったタイプの方に向いている漢方薬です。
おもに冷え症、貧血、むくみやめまいの症状がある方に適しています。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

比較的体力や筋力があり、
冷えのぼせ(足は冷えて、顔がほてる)や
肩こりがあるといったタイプの方に向いている漢方薬です。
生理痛や月経異常がある方に適しています。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

体力があまりなく、こちらも「冷えのぼせ」が
あるタイプの方に向いていますが、
加味逍遙散はイライラや不安感、頭痛などの
メンタルの不調が強く出る方に適しています。

当院では上記の有名な漢方薬のほか、
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」という漢方薬が
患者さまからとても好評です。

慢性的な疲労やだるさを抱える方や、
冷え性や月経不順などのお悩みを持つ方に効果的です。

しかし、補中益気湯は基本的に
「胃腸が弱く、体力のない方」向けの漢方薬ですので、
もともと胃腸が丈夫な方などには不向きです。

このように「女性特有の症状に効果的」
といわれる漢方薬であっても、
向き・不向きや得意分野は大きく異なります。

体質に合わない漢方薬を選ぶと、効果を得られないだけでなく、
症状の悪化を招くこともあるので、
気軽に婦人科に相談するようにしましょう。

Q2:漢方薬は即効性がなく、長期間服用しないと効果が出ないのでは?

すぐに効果が現れるもの、じっくりと効果が現れるものに分かれます。

「漢方薬は数カ月から1年は飲み続けないと効果がない」
といった話を聞いたことがあるかもしれませんが、
それは誤りです。

たしかに「体質改善」を目的とした漢方薬は
継続的な服用で効果が現れますが、
「痛み止め」のようにすぐに効果を発揮する漢方薬もあります。

飲んですぐに効く漢方薬

たとえば、子宮が過剰に収縮し、激しい生理痛が起きたとします。
そのような場合には鎮痛剤のような効果が期待できる
「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」という
漢方薬が処方されます。
「そのときの痛み」を抑える漢方薬ですから、
短時間で効果を発揮します。

継続的な服用が必要な漢方薬

冷え性や月経不順、PMS(月経前症候群)
といった症状で処方される漢方薬の場合、
1か月から3か月ほどの継続的な服用が必要になります。

決して「何年も続けないといけない」
というわけではありませんのでご安心ください。
しばらく継続的に服用し、症状や体調などを見ながら、
そのお薬が合っているかを見極めていきます。

Q3:「婦人科では漢方薬をもらえない」「保険が使えず金額が高い」って本当?

漢方薬は婦人科でも処方されますし、保険もちゃんと適用されます。

漢方の有用性が認められるようになったことで、
婦人科などの病院でも漢方薬(医療用漢方製剤)は
当たり前のように処方されています。
もちろん、健康保険も適用されます。

病院・クリニックで漢方薬を処方してもらうメリット

健康保険が適用されるので(3割負担)
ドラッグストアや漢方薬局などで販売されている
漢方薬よりずっと安価ですし、
何より安心して購入することができます。

また、病院での診察・処方を受ける場合は、
症状に応じて漢方薬と相性の良い西洋薬
(鎮痛剤や低用量ピル)を組み合わせて、
効き目の相乗効果を期待できる場合もあります。

Q4:「漢方薬は天然由来で副作用がない」から誰でも安心して飲めますよね?

漢方薬でも副作用が出ることはあります。

「漢方薬=自然由来の優しいお薬」というイメージがありますが、
たとえ自然由来であってもお薬である以上は
「副作用がない」ということはありません
(人間や動物に悪影響を及ぼす草花も存在していますよね)。

先に触れた通り、漢方薬は一人ひとりの
体質や体調に合わせて処方されるものなので、
きちんと医師の処方を受けることが大切です。

漢方薬はドラッグストアなどでも入手できますが、
自己判断での服用は避けるようにしましょう。

よくある漢方薬の副作用

  • 便秘の症状がない人が、
    秘改善の効果がある漢方薬を服用することで
    下痢や腹痛を起こすことがあります。
  • 胃腸が弱っている人が、
    流改善効果が高い漢方薬を服用すると、
    胃もたれなどの症状を訴えることがあります。
  • 市販されている複数の漢方薬を併用することで、
    特定の成分を過剰に摂取し、血圧が上がったり、
    むくんだりすることがあります。

Q5:女性によくある冷え性や生理痛で診察を受けるのは大げさですか?

決してそんなことはありません。気軽に婦人科を受診してください。

冷え性や生理痛などの症状は
「ほとんどの女性にとって当たり前のこと」
というイメージが定着してしまっており、
症状に悩んでいても我慢をしてしまう方が多いのが実情です。

頻度が高くなかったり、痛みの程度が軽かったりして、
「やり過ごせるから大丈夫」という方もいらっしゃるでしょう。

しかし、その症状の裏に、
子宮筋腫や子宮内膜症といった見過ごせない
病気が隠れているかもしれません。

生理に関するお悩みには「低用量ピル」の服用が効果的ですが、
「ピルを飲むのに抵抗がある」という方の場合、
漢方薬なら抵抗なく日常生活に採り入れることができそうです。

また、冷え性の改善に特化した西洋薬はありませんが、
漢方薬なら色々と存在しています。

たとえちょっとしたお悩みであっても、
婦人科の医師に相談されることを強くおすすめします。

医師もスタッフも「全員女性」の当院に、お気軽にご相談ください

大阪市生野区のSレディースクリニックは、
院長を含むスタッフが「全員女性」のクリニックです。

全員が同じ女性だからこそ、言葉では言い表せない不調や、
周囲に相談できない「つらさ」も気兼ねなくご相談いただけます。

漢方薬についての相談がまったく初めての方でも、
患者さまの目線で分かりやすくご説明しますので、
お電話(06-4307-5344)または「WEB予約」から
ご予約のうえご来院ください。